昭和47年 写真家村井修撮影による多数の写真、詳細図などで旧帝国ホテルの全容を紹介。建物の沿革、設計者との交渉など旧帝国ホテルにまつわる史的環境や設計の大意を決めたF・ライトの有機論の解釈と研究も掲載。
■目次 ・一部 図版(235点) ・二部 図面(33点) ・三部 旧帝国ホテルの実証的研究 一章 沿革と概要 帝国ホテルの沿革/敷地/天皇の入口/予算と工事日数/建築家遠藤新の文章/ライトの「新帝国ホテルと建築家の使命」という文章/設計委託/ライトと建築家A・レイモンド/超時間的な性格/帝国ホテル以前の作品 二章 自然感から有機論 製作と創作/ギディオンの有機論見解/原理を学べ/源はライトの自然観/法則と秩序あり/自然はレディメイドではない/簡潔さを自然と呼ぶ/グラマーを規制と訳しておこう/生前描写を回顧すれば/主知的傾向/アール・ヌーボーも自然を/アメリカという風土/壁と架構はわかれわかれ 三章 プラスティシティ ライトの壁/メンデルゾーンサリヴァン評/プレスティシティとコンティニュイティ/材料学からの説明/手にあった/床・壁・天井に在る古典/公式はなかった/亀の間のルーフ・スラブ/プロムナードの天井の明暗/網一つのコンティニュイティ/東コーナーの例/キャンティレバー/構造革命 四章 平面作成による推測 半世紀経過すれば理解できる/架空の言葉でない真に機能的平面/固さはあるが几帳面さをもつプラン/帝国ホテルのユニットは4フィーとであった/数学的な形をとらんとして互に依存し関連を保っていた/比例相関集成の作図/正方形集成がしゅだいであった/JAY HAMBIDGEの「壷」分析/冷たさと固さから逃れる 五章 造形と装飾 巨大なる創意/表囲い/コスモポリタンの壷/段形のテラス/陸屋根と勾配屋根/低さと水平構成/見え隠れ部分の造形/窓と建具/多層空間と緩衝空間/階段と周囲の造形/穴/幾何図形による抽象的デザイン/矩形組積造形/天井稜線と天井に石を貼ること/プラント・ボックス隅技法/円と球体の造形/点及点的技法/左右対称と非対称装飾論/硝子壁かカーテン・ウォールか/レリーフ/石と煉瓦と異形煉瓦による芸術/照明器具と家具絨毯/五つの主題空間(ロビー・食堂・プロムナード・オーディトリウム・饗宴場)/窓の比例相関集成についての解明要約造形結論七項目 六章 材料と構造 構造のアイデア/不同沈下/各所の亀裂/ジョイント/地質/ライトの耐震構造/基礎と杭型枠とコンクリート/鉄筋と床版ジョイスト・スラブとカーン・バー/柱と壁柱/梁と臥/梁と壁耐水処理/フラット・ルーフと勾配屋根/階段の構造/大谷石と凍害/スクラッチ煉瓦/石膏内装材木建具とその取付/硝子と頂光窓/木/パイプシャフトなどの設備 七章 調査方法と経果 ライトの建築精紳を理解せよ/浪漫派の一人ではなかった/調査動機/調査班の構成と発足/「帝国ホテルを守る会」の発足/内藤多仲博士の取壊し論/調査日記/80日間の苦しい経験/疎開/大筋を掴む調査が必要
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