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南洋堂のお店での日々の出来事や、
本についてのあれこれなど、店員の声をお届けします。


  21/04/17 Saturday   1098   


 帰宅

昨日のことですが、職場から家まで歩こうと思い立
ちました。遊歩者としては帰宅を目的とすることが
憚られたのですが、道のりを決めずになんとなく家
路に向かうといった体で誤魔化すことにしました。
皇居沿いを竹橋から半蔵門まで廻り、そこまでは何
も問題なかったのですが、四谷を過ぎた辺りで角地
に建っていた何かが消えて新しい何かが建てられよ
うとしているのが見えました。何があったのかどう
しても思い出せないのですが、まぁこういったこと
の積み重ねで街の様相は変化していくんだよァと、
感慨に浸っていました。次におそろしく手足が細長
い犬が前から歩いてきた事に気をとられていたら、
後ろから早歩きで来た人に追い抜かれそうになりま
した。戦うべきか見守るべきか瞬時に判断しかねた
ので、歩くこと自体に目を向けることにしました。
ベンヤミンが「長い時間あてどもなく町をさまよっ
た者はある陶酔感に襲われる。一歩ごとに、歩くこ
と自体が大きな力を持ち始める」と言ってたので、
そこからまた長い時間歩いたのですが、そのような
トランス状態に陥る前に足が痛くなったので電車に
乗って帰りました。因みに歩くことは時間感よりも
空間感が重要であるというのが私の信条であります。
というわけで上記一文を含む「遊歩者」が収録され
た「パサージュ論」第三巻目(再録版)、出ました。


表紙 

written by SN  


  21/03/13 Saturday   1097   


 キッチン

自宅のキッチン改装を報告すると皆々様から「え
っ料理しないのに?笑」と判で押したような反応
を頂戴しますので、しないから変える、しない人
がするようになる、すると様々な形で生活に良い
影響が出てくる、それが建築のちからではないの
かと力説しますと相変わらず面倒くさい奴だとい
う顔を皆一様にするので、それを愉快に眺めてい
る今日この頃です。いかがお過ごしでしょうか。

しかしながらこの「一部が全部」論は、あながち
間違ってもいないのです。ほんの一部でも綺麗に
なると良い心持となり、次に他の箇所が気になり
はじめ、次はこっち、その次はあっちと、エスカ
レートしていくのが人の心というもの。そこには
ビジネスチャンスがあります。肝心なのは、いか
に自発的にそう思わせるかであり、これにはそこ
そこ高度なテクニックを必要とします。ところで
今お話しした話は「ひと目で分かる美」に囚われ
ている人々に大変有効ですが、販売したいものが
建築書である場合、知識量並びに頭脳の明晰さは
ひと目でわかるものではありませんから(ごく稀
に立ち姿に滲み出ている方もいらっしゃいますが)
基本的には本の販売には応用ができかねます。
そこで違う論理を構築することにしました。続き
はまたそのうちに。


表紙 

written by SN  


  21/02/13 Saturday   1096   


 二月

とかなんとかまーぼやいている間にも時は流れる
もので、いつの間にか二月も中盤に差し掛かって
いるところです。いかがお過ごしでしょうか。
一億総ご意見番である昨今におかれましては逆に
特に思うところもなく、ましてや哲人や知識人だ
らけのこの建築界の片隅で、いえどちらかといえ
ば境界線上でこの世界を傍観してきた一書店員と
致しましては、適当なことを言っていると陰で蔑
まれるか表で袋叩きにあうかのどちらかである事
をよく知っているわけです。恐ろしいですね、皆
様どうぞお気を付け下さいませ。だがしかしです
よ、沈黙が金とも限らず雄弁は諸刃の刃、という
のが近頃の我々がいる世界なのであります。難し
くなってきましたね。ひとまず余計なことは考え
ずに目の前の仕事を片づけたいと思います。



written by SN  


  21/01/23 Saturday   1095   


 伝統

2021年が明けたのが一昨日のことなのか半年前の
ことなのかどうも曖昧でカレンダーを真剣に見て
みますと、どうやら現在1月の終盤に差し掛かっ
ているところです。時計やカレンダーは只の数字
といえども仕事や予定をこなすには大変便利であ
りますが、生きている実感までは与えてくれない
わけです。今年はもう少し懸命に生きてみようか
なァと思います。遅ればせながら、本年もどうぞ
よろしくお願い申し上げます。

「伝統」と名がつく新刊が2冊あります。良い機
会なので伝統について考えてみることにします。
堀口捨己や蔵田周忠、谷口吉郎らを筆頭に建築家
たるもの設計の傍ら古建築や古民家の研究をする
べきという方も多いものです。1955年には丹下
健三の論考をきっかけに、かの有名な「伝統論争」
が勃発しました。日本の伝統をどう扱うのかを、
言葉や設計で表明することは設計者の、ひいては
日本建築全体のアイデンティティに関わることな
のです。
「伝統」と言っても、わかりやすい見た目から、
玄関の上がり框のような密やかに脈々と伝わるも
のまで限りなくあります。どちらにせよ原型は不
変なのですから、できるだけ勉強してから現代建
築に隠れた伝統を見つけてみようと思います。


表紙 表紙 

written by SN  


  20/12/29 Tuesday   1094   


 2020年

どう考えても得たものより失ったものの方が多か
った今年は、悪い意味で白昼夢でも見ているよう
な、そんな一年でありました。そのせいでしょう
か、様々な努力をしたのですが兎にも角にも年末
の実感が湧かないまま、2020年の最終日を終えよ
うとしているところです。きっとお元気でお過ご
しのことと思います。

戦中や終戦直後の出版物を見ていると、そんな時
にこそむしろ活発になるらしい人間の知識欲とい
うものに感動を覚えるわけですが、知識を得るこ
とが危機に抵抗する本能的アクションなのだとし
たら、人間って素晴らしいですね。私が今年見つ
けた唯一の希望かもしれません。

そんなわけで、おかげ様で本年も新旧多くの良書
に出会うことが出来ました。本と、何度も何度も
足をお運び頂いた常連の皆様、棚を熱心に眺めて
は買っていく好奇心旺盛な多くの若い皆様、また
本を購入するばかりでなく知識をも与えてくれる
大学の先生方、そして近所や遠方から変わらずず
っとご注文を頂いている皆様に、心から感謝申し
上げます。今年も一年ありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えください。



written by SN  



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