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書籍名: |
建築家として生きる 職業としての建築家の社会学
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著者名: |
松村淳 |
発行所: |
晃洋書房 |
判型: |
A5 |
ページ: |
316 |
価格(税込): | ¥ 2,970 | 価格(税別): | ¥ 2,700 |
発行年月: |
2021.03 |
商品コード: |
77103475 |
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日本の建築家はいかにつくられ、継承されてきたのか。現場の建築家たちはこの職業とどう向き合い、実践してきたのか。
ごく一部の有名建築家を除き、建築家として働く人たちの実態は、これまで意外なほど明らかにされていない。建築家という存在そのものがゆらぎはじめている現代、専門的な教育を受け、難関の資格試験をクリアし、建築家を自認するようになる彼・彼女たちは、どのように考え、動き、働いているのか。非意匠系の建築設計者、地方都市で活躍する建築家、さらには建築家を自認しない建築家など、さまざまな建築家の姿を、背景にある時代性とともに考察し、その輪郭を描きだす。
■目次 ・序章 建築家の分析枠組み ・第I部 建築家の生成と変容をめぐって 第1章 職能の確立と消費社会との関連性 1 本章の目的 2 戦後復興期における建築家の役割 3 芸術としての住宅 4 商品化住宅の成熟 5 まとめ 第2章 「スター文化人」としての建築家の誕生 1 現代版ルネサンス的万能人としての建築家 2 野武士の時代 3 安藤忠雄の卓越化の方法 4 二極化していく建築家 一九九〇年代以降の状況 5 まとめ ・第II部「建築家のエートス」と職業としての建築家 第3章 「建築家のエートス」を涵養する場としての大学 標準化されない技術の習得を通したエートスの獲得過程 1 本章の目的 2 基礎教育を通した支配的ハビトゥスの形成 3 講評会という教育装置 4 建築家のエートスと大学教育 5 まとめ 第4章 建築家になる 1 本章の目的 2 建築家の自認と建築設計者のカテゴリー 3 建築士の業務 4 建築家へのファーストステップ 5 建築家を名乗る 6 まとめ 第5章 建築家として生きていく 1 本章の目的 2 建築家のマネタイズ 3 文学界の機序と建築家のとるべき戦略 4 短期的な生産周期の事業としての下請け仕事 5 長期的な生産周期の事業への取り組み 6 変えるところと変えないところ 7 地方におけるキャリアの達成 8 まとめ 第6章 建築家ではない設計者たちの職業世界 1 本章の目的 2 住宅会社の「設計士」 住宅産業界の機序とハビトゥス 3 住宅会社の建築士の住宅観と報酬に対する考え方 4 建築家のハビトゥスは、他の業界でどのように作用するか 5 設備設計士の職業世界 6 まとめ ・補論 建築士受験のセルフエスノグラフィ 1 はじめに 2 一級建築士を目指す 3 一級建築士への挑戦 4 一級建築士の設計製図問題をどう解くのか 5 一級建築士製図二年目 6 資格学校の面々 7 そして最後の本番 8 リスク社会としての後期近代と資格 ・第III部 後期近代と建築家の変容 第7章 脱埋め込み化の進行と建築家の役割の変容 一九七〇年代以降の建築と都市をめぐる状況から 1 はじめに 脱埋め込みの進行 2 「個」としての建築家の後景化 3 外観が消えたハコとしてのショッピングモール 4 創造的復興と脱埋め込み 阪神・淡路大震災をめぐって 5 再埋め込みフェーズと「顔の見える専門家」 6 まとめ 第8章 コンピュータ・テクノロジーの進展と建築家の職能の変容 1 本章の目的 2 CADはどのように建築家の仕事を変えたのか 3 手描きからCADへの移行がもたらしたもの 4 建築家と工学 5 CAD時代の建築家の職能の信頼構造 6 一方向的な信頼から双方向的な共感へ 7 まとめ リスクを共有する信頼構造 第9章 「脱エートス」の建築家像と後期近代 1 本章の目的 2 研究対象・方法 3 建築家の職能拡張をめぐって 4 施工業との兼業禁止という規範と建築家のエートス 5 正当性の調達と行動を可能にする規範 6 「まち医者的建築家」の職業実践 7 新しい職能で報酬を得ることの難しさ 8 まとめ 「脱エートス」の建築家像と後期近代 ・終章 後期近代と建築家のゆくえ 1 日本における建築家 2 職業としての建築家 再埋め込みプロセスと「プラスのプロフェッション」 3 今後の課題
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