「年越し派遣村」に象徴されるように「安心して住む」というごく当たり前のことが、現在の日本社会では必ずしも実現できないのかもしれない。本書では、貧困な居住の実態、広がる居住格差、いびつな住環境といった、今日の日本の居住をめぐる問題を幅広く取材し、多くの事例を通して、その実態を浮き彫りにする。 ■目次 第1章 住む場がなくなる ・住宅政策不在の象徴 ・奪われる居住 市場化の行過ぎ ・しぼむ公共住宅の数 第2章 いびつな居住と住環境 ・広がる居住格差 ・限界団地の出現 ・居住生活空間の変容 第3章 居住実態の変容、そして固定化へ ・先進国との共通項と非共通項 ・持ち家主義の加速と失速 ・取り残された木造住宅密集地域 第4章 「公」から市場へ 住宅政策の変容 ・戦後の住宅政策の軌跡 ・構造改革と住宅政策 ・セーフティネットなき住宅政策 ・住宅政策の外側で 第5章 諸外国に見る住宅政策 ・韓国の住宅法 ・英国の「住宅緑書」 ・フランスにおける住宅への権利 ・米国の低所得者向け住宅政策 第6章 「居住の貧困」を克服できるか ・基本的権利としての居住権の確立から ・社会政策への転換 ・住宅政策実現の主体 ・それぞれのセーフティネットの構築
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