強く合理的で大きなシステムは、大災害の前にもろくも崩れ去る。大きなものに依存する受動的存在ではなく、小さく自立した能動的な存在として「小さな建築」は人間を世界とつなげる。小さな単位を「積む」、大地に「もたれかかる」、ゆるやかに「織る」、空間を「ふくらます」、斬新な発想から建築の根源を問う。 本書では、多数の図版とともに、西洋古典主義建築からモダニズムまでの流れを見渡し、ミース、コルビュジエ、フラー、黒川紀章、ゴットフリート・ゼムパーらの仕事を振り返りつつ最新作を語る。
■目次 ・積む 小さな単位 水のレンガ 小さな住宅ーウォーターブランチ 流れ、自立する建築 ・もたれかかる 強い大地にもたれかかる 生物学的ーアルミと石の「もたれかけ」 蜂の秘密ーハニカムが生み出す空間 ・織る 木を織るー「千鳥」のミュージアム 雲のような建築ータイルを織る カサ・ベル・トゥッティー フラー・ドームから傘のドームへ ・ふくらます フランクフルトのふくらむ茶室 空間を回転し、開く
|
|