戦後間もなく、今井町を訪れた伊藤鄭爾東大教授は、その美しさに息をのんだ。しかし近代化に誰もが憧れていた当時、保存は町の発展に水を差すことだった。学者、行政主導の保全策が挫折を重ねるなか、住民達の対立・葛藤は、やがて自治都市の伝統に活路を見出し住民審議会を軸とした合意形成に至る。その全過程を再現する。 ■目次 ・刊行に寄せて 上野邦一 ・今井の町並み保存 八甫谷邦明 ・はじめに ・序章 十年目の「町並みゼミ」 ・第一章 伝統的建造物群の発見 ・第二章 初期の町並み保存運動 ・第三章 地域への働きかけ ・第四章 国と自治体との狭間で ・第五章 住民組織の新たな展開 ・第六章 対立を超えて ・第七章 残されたまちづくりの課題 ・対談/町並み保存の原点と未来を語る ・町並み保存の主な流れ(年表) ・あとがき
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