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書籍名: |
生きている文化遺産と観光 住民によるリビングヘリテージの継承
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著者名: |
藤木庸介 |
発行所: |
学芸出版社 |
判型: |
A5 |
ページ: |
230 |
価格(税込): | ¥ 2,860 | 価格(税別): | ¥ 2,600 |
発行年月: |
2010.03 |
商品コード: |
76152480 |
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品切 / 探求書申込扱いとなります。
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安易な観光地化が進む地域では、中身のない景観的レプリカ保存や、過度な商業開発による本来の暮らしと伝統文化の崩壊が生じている。観光推進が地域活性化の突破口として注目される今、生活文化の保全といかに両立するかが重要だ。世界遺産都市から小さな村まで、観光がもたらす地域の変容と共生への道を、11の事例に探る。
■目次 序章 本書の意義とリビングヘリテージ 藤木庸介 1 観光をめぐる問題の提起 2 文化遺産保護と観光の現在 3 文化遺産保護施策の経緯と観光 4 「リビングヘリテージ」とは何か?
第1部 地域活動と住民の視点 1章 伝えたいのは生きた都市─地元主体による町並み保全 和歌山県湯浅町神吉紀世子・湯浅町TMO 1 熊野詣と醤油の町 2 都市の構造そのものに歴史性を再発見する 3 地元主体による自主的まちづくりの歴史 4 がんばる商工部門─産品販促から町並み再生までてがけるTMO 5 町並みの再生─全体像を理解しつつ、事例ごとに考える 6 今後に向けて─地方圏の都市は継承できるか
2章 住民たちがつくる生活融合型観光 鹿児島県奄美大島・龍郷町 福島綾子 1 大和と琉球の狭間の島 2 奄美の移住者と観光産業の特徴 3 観光、移住者、生活─共存の姿 4 ユイと多様性により支えられるリビングヘリテージのゆくえ
3章 町並みの再発見と住民による地域発掘 和歌山県旧御坊町・塩屋町 和歌山大学宮川研究室・林田研究室・御坊市教育委員会・NPOスサノヲ 1 人々の交流・往来による町の発展と地場産業とのつながり 2 旧御坊町における伝統的民家の特徴と町並み 3 塩屋町における伝統的民家の特徴と町並み 4 風土により育まれたデザインがリビングヘリテージ 5 寺内町と街道筋の町並みを活かした観光に関する取り組み 6 今後の取り組みのあり方と可能性
4章 ウチとソトの境界意識と「よりよい暮らし」の実現 英国・コッツウォルズ 塩路有子 1 カントリーサイドとコッツウォルズ地域 2 チッピング・カムデン 3 ヘリテージとしての住まい 4 ヘリテージの町の保全と開発 5 町の観光イメージと住民意識 6 「よりよい暮らし」を実現する観光地とは
第2部 伝統産業・文化を継承するために 5章 もてなしの文化を支える地域社会 広島県宮島・厳島神社門前町 花岡拓郎 1 旅人の島 2 リビングヘリテージとしての門前町 3 日本三景としての景観づくり 4 暮らしに息づく信仰 5 門前町を支える地域社会 6 世界遺産登録がもたらしたコト
6章 地域文化の再興と活用を目指して 奈良県天川村 阪岡悌・藤木庸介 1 林業と修験道の村 2 世界遺産登録と観光への取り組み 3 将来を見据えた取り組みの必要性
7章 観光開発による伝統産業の復活 タイ・クレット島……清水苗穂子 1 タイの伝統文化と観光 2 タイの少数民族モン族と伝統産業 3 クレット島の観光振興 4 陶器産業の復活をかけた一村一品プロジェクト 5 モン族の伝統産業の継承 6 クレット島の観光開発がもたらした伝統産業への影響 7 新たな伝統文化の創造に向けて
8章 生きている棚田景観と保全をめぐる思惑 フィリピン・ルソン島 平田隆行 1 生きられた景観 2 「社会」として立ち上がる風景 3 フィリピンの国家イメージと棚田景観 4 コルディリエラの棚田群は危機遺産か? 5 リビングヘリテージとしての棚田
第3部 生活文化保全と観光推進の間で 9章 観光地化に伴う景観の変化とコントロール ベトナム・ホイアン 内海佐和子 1 海のシルクロードの貿易拠点 2 歴史的町並みの構成 3 町並みの保存活動と観光変容 4 町並みの観光変容に対する条例とその効果 5 新たな展開を見せる景観の変容要因 6 発展と変容を継続するために
10章 変化を許容する巡礼都市の新たな展開 インド・ヴァーラーナシー 柳沢究 1 ヒンドゥー教最大の「聖地」 2 聖地・巡礼と生活の混淆 3 ヒンドゥー教のテーマパーク 4 観光開発と世界遺産登録運動 5 リビングヘリテージとしての都市 6 聖地と生活の場の共存─融合寺院の可能性
11章 戦略的観光開発と伝統的文化保全の葛藤 中国・麗江 藤木庸介 1 茶馬古道の交易拠点 2 麗江旧市街地の居住文化 3 行政施策としての戦略的観光開発 4 観光開発がもたらしたもの 5 居住文化への影響 6 観光開発とリビンクヘリテージ保全の共生へ向けて
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