堀口捨己は日本近代を代表する建築家のひとりであり、近代建築を日本に導入しその定着を図ると共に、日本の建築的伝統との関係について深く考え、作品にその成果を反映させようとした。堀口の事績や思想を膨大な一次資料の分析をもとに実証的に語る初めての本格的評伝と意欲的な論考。
■目次 ・はじめに ・一 分離派建築会 主体重視の建築論の展開 一 生い立ちから分離派建築会まで 二 分離派建築会の史的意義 三 洋行 四 平和記念東京博覧会 五 紫烟荘と双鐘居 六 吉川邸 ・二 「日本」への関心 堀口捨己の建築思想の形成 一 「様式なき様式」 二 昭和初期の「日本的なもの」と堀口捨己 三 茶の湯研究「総合芸術家」千利休への傾倒 四 岡田邸 五 大島測候所 六 若挟邸 ・三 「強い表現」の追求 一 堀口捨己の美学の特徴−「強い表現」の追求− 二 堀口捨己の和風建築−八勝館とカン居を中心に 三 第二次世界大戦の鉄筋コンクリート造の作品 四 「桂離宮」−美学と学術の統合− 五 堀口捨己の人脈 ・四 堀口捨己に見る近代日本 一 堀口捨己の「日本」−普遍性と独自性の併存 二 感性と理性のせめぎあい−堀口捨己の「表現」の原動力− ・図版リスト ・堀口捨己作品・著作リスト ・あとがき
|
|