私たちは、時として庭園を訪れたくなるのはなぜだろうか。庭は奥が深い。本書では、庭の本質を死=他界であるという新たな視点をもって、再び京都の名庭に対峙してみたい。庭園が私たちに饒舌に語りかけてくるのである。日本一の観光地・京都でとりわけ見所の多い珠玉の庭園群。最新の研究成果を盛り込みながら、世界遺産を含む27名庭を新たな庭園観で描く。庭園リスト、各庭の詳細データ・MAP付き。 ■目次 ・第一章 日本庭園の原型 西芳寺/天竜寺 ・第二章 あの世を再現する 平等院/浄瑠璃寺 ・第三章 勝者と敗者のモニュメント 鹿苑寺(金閣寺)/慈照寺(銀閣寺) ・第四章 一期一会の空間 妙喜庵待庵/三千家の露地 ・第五章 普請狂・豊臣秀吉の死期と庭 醍醐寺三宝院/西本願寺 ・第六章 秀吉神格化の阻止と徳川家康 西本願寺と秀吉の神格化/秀吉神格化の阻止 ・第七章 王権としての庭 神泉苑/二条城 ・第八章 日本庭園の否定 西欧文化を学んだ男/仙洞御所 ・第九章 石庭のエキスパート 大徳寺/南禅寺 ・第十章 庭園史最大の謎を推理する 龍安寺/高台寺傘亭、時雨亭 ・第十一章 作者と創建年代の謎 桂離宮/遠州作の真偽/曼殊院 桂離宮との類似性 ・第十二章 反骨の天皇の内なる声 修学院離宮/円通寺/詩仙堂 ・エピローグ/おわりに/参考文献 ・仙堂御所・桂離宮・修学院離宮参観申し込要領 ・京都広域図 ・本書掲載庭園リスト
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