1986年のSTILL―静かな庭園―から、野又穫の世界は、繊細かつ緻密な表現によるリアルな空気をもつ一方で、常に静寂に満ち、現実の世界とは相容れない不思議な時空間を作り出す。そこに建ちそびえる建築の姿は、建造と修復、解体が同時進行し、終わりのない未完の印象を私達に与えつづける。そこには過去、現在、未来が混在した、「永遠の時間」がただよっている。本書は、池袋西武アート・フォーラムにて、2004年2月18日から3月1日まで開催予定の、野又穫作品展「Points of View」にあわせ刊行する、旧作ならびに新作をおさめた新画集である。1986年のStillから、2004年Points of Viewに至るまで、ドローイングを含む、画家自選による約200点を収録。又画業のオリジンを覗く、画家自身のエッセイもあわせて掲載する。
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