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『Round on the Roof』 南洋堂ルーフラウンジの建設プロセス
2006年03月27日-2006年04月08日

都心の空を飾る、南洋堂書店の屋上広場プロジェクト。今村創平、南泰裕、山本想太郎の3人からなる建築家ネットワーク、プロスペクターによる共同設計により実現したもの。南洋堂書店N+における、昨年秋の「33の屋根-NANYODO ROOFTOP PROJECT」展を経て、一般投票の評価も参考にし、最終的に本計画案が具体化された。
本展覧会では、これらの実現プロセスを模型や現場写真、図面等で多角的に紹介しながら、屋上階の内覧会と重ね合わせ、実物と展示による立体的な表現を試みている。
実現案においては、円形屋根と柱によるユニットを8つ重ね合わせ、新しい幾何学のルールによる場所の再定義を試みている。8つのユニットが屋上の上部に重合する形で配置され、外部の気配を取り込みつつ、空中に浮遊する現代的な茶室のような気配の現出を目指した。円形屋根はそれぞれ直径1500、1800、2100ミリの3種類からなり、それぞれの直径を2:1分割する偏心点に、直径57ミリからなる極細の柱を配置している。それにより、微妙な浮遊性の上に規則性と不規則を重ね合わせた、両義的なイメージを体現している。
屋根面の軒裏部分はステンレス鏡面仕上げとし、内部からは都心のアクティビティを映し込み、外部からは屋上の気配を伝え知らせる装置となることを意図した。また、朱色の木製デッキで統一されたフロアは、一部掘り込み部分と植栽スペースを作り、掘りゴタツ式に座位によっても利用できるようにした。さらに、植栽部分はランドスケープ・デザイナーの石川初氏にご協力いただき、「東京カット・アンド・ペースト・マップ」というアイデアのもと、様々な場所からの植物が移植され、集約的に再編集される手法が採用されている。
セッションにも似たこれらのプロセスを経て、東京都心の空に、文字のない広告塔がこつ然と浮かび、出現した。

□計画概要

名称  南洋堂ルーフラウンジ

設計    プロスペクター
      (今村創平 南泰裕 山本想太郎)
構造協力  鈴木孝夫(THR構造設計室)
照明協力  矢次めぐみ(山田照明)
造園協力  石川初(ランドスケープデザイン)

施工    石橋木工所 石橋光雄
      水田典寿
      南洋堂書店
構造    鉄骨造
計画面積  20.80
設計期間  2005年6月〜2005年11月
工事期間  2005年12月〜2006年3月





■今村 創平(Souhei Imamura)建築家
1966年東京生まれ / 1989年 早稲田大学理工学部建築学科卒業 / AAスクール、長谷川逸子・建築計画工房を経て、2002年 設計事務所アトリエ・イマム設立 。ブリティッシュ・コロンビア大学大学院、京都造形芸術大学、工学院大学、桑沢デザイン研究所、東京理科大学それぞれ非常勤講師。

■南 泰裕(Yasuhiro Minami)建築家
1967年、兵庫県生まれ。1991年、京都大学卒業。1997年、東京大学大学院博士課程修了。1997年、アトリエ・アンプレックス設立。明治大学・東京理科大学・東京外国語大学非常勤講師。

■山本 想太郎(Sotaro Yamamoto)建築家
1966年、東京生まれ。1991年、早稲田大学大学院修士課程修了。1991年〜2003年、坂倉建築研究所勤務。2004年、山本想太郎設計アトリエ設立。東洋大学非常勤講師。