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「前川國男と14人の声」
2006年10月16日-2006年11月25日

概要:さる2006年10月1日に発行された『前川國男現代との対話』(松隈洋編,六耀社刊)は、05年から06年にかけて全国を巡回した「生誕100年・前川國男建築展」のプレ企画として、展覧会にさきがけて開かれた7回の連続セミナー「前川國男と近代建築」と、東京展の会期中に行われた2回の記念シンポジウムをまとめた講演録です。
 その出版を記念して、展覧会「前川國男と14人の声」が開催されました。当展では、本書に登場する下記の14人が語った前川に関する印象的な言葉と、写真家・齋藤さだむが撮り下ろした14人の生き生きとした顔写真をパネル展示し、本書の一部を紹介しました。 
 また、前川展のために写真家の吉村行雄が撮り下ろした建築写真のうち、未公開のものを中心にスライド上映するとともに、前川の手書きのスケッチや図面(いずれも複製)を手にとって閲覧できるコーナーも設けました。
 さらに、前川が自宅でも愛用していた自作の安楽椅子を展示するとともに、前川の暖かくユーモラスな肉声を公開することで、会場には前川の気配に満ちた空間が出現しました。
 来場者は、本や図面などを手にしながら、前川と14人の「声」に静かに耳を傾けていました。
 また会期中に開かれたトークでは、約20名の方々にご参加いただき、本書の制作に深く関わった編集者とデザイナーの、本書に託した思いや前川についての新たな発見など、現場ならではの声をお聞きしました。
当展の登場者:富永讓、三沢浩、藤森照信、林昌二、平良敬一、野沢正光、内藤廣、鬼頭梓、松山巖、布野修司、槇文彦、鈴木博之、大谷幸夫、松隈洋(本書登場順)
トークのパネラー:天野昌樹、久保万紀恵、松隈洋
 
 
 
 
 
 
 
 
写真キャプション
(右上)会場風景。正面には本書に登場する14人の顔写真と言葉、左手には前川國男の写真、右手には前川の安楽椅子がみえる。
(左下)トークの様子。表紙の候補案を手に本書の制作過程を振り返る3氏。左手より天野、久保、松隈。
写真クレジット 
撮影:齋藤さだむ







パネラーのプロフィル
天野昌樹(あまの・まさき) グラフィック・デザイナー
1967年愛知県に生まれる。91年専修大学商学部を卒業。2001-05年松田行正のマツダオフィスに勤務。05年独立。エディトリアル・デザインに『前川國男現代との対話』、『9条どうでしょう』(内田樹ほか著,毎日新聞社)、『夏と夜と』(鈴木清剛著,角川書店)など。その他のデザインにNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)の館内グラフィック(初台)など。

久保万紀恵(くぼ・まきえ) 六耀社編集部
1975年東京都に生まれる。98年獨協大学外国語学部英語学科を卒業。98-2003年編集プロダクションに勤務。04年より現職。編集担当書籍に『前川國男現代との対話』、『ブックショップはワンダーランド』(永江朗著)、『水と空のあいだ』(イイノナホ著)、『パリの小さな店案内』(山本ゆりこ著)など。

松隈 洋(まつくま・ひろし) 京都工芸繊維大学大学院助教授
1957年兵庫県に生まれる。80年京都大学工学部建築学科を卒業。1980-2000年前川國男建築設計事務所に勤務。00年京都工芸繊維大学助教授。06年より現職。00年よりDOOCOMOMO Japanメンバー。05-06年「生誕100年・前川國男建築展」実行委員会事務局長を務める。著書に『近代建築を記憶する』(建築資料研究社)、『ルイス・カーン−構築への意志』(丸善)。編著に『前川國男現代との対話』、『建築家・前川國男の仕事』(美術出版社,共編著)など。